西側の「妙」は万灯籠山(松ヶ崎西山)、東側の「法」は大黒天山(松ヶ崎東山)にあります。
妙の万灯籠山のすぐ北側には宝ヶ池があるのが見えます。
下は2012年にわたしが撮った法の送り火。アピカルインの近くから。
字は日蓮宗の題目「南無妙法蓮華経」にちなみます。
1306年に、松が崎の村民全体が日蓮宗に改宗したことに由来します。
「妙」は鎌倉時代末期から、「法」は江戸時代初期から行われたとされます。
妙法の字形は現代風に左から読めます。これは始まった時期が違うことの根拠になっています。
現在、妙法の送り火を守っているのは「松ヶ崎立正会」。公益財団法人となっていますが、昔からと変わらずこの集落の家々による組織です。割木も各家庭で陰干しをしてその日に備えます。

松ヶ崎大黒天
火床はそれぞれ103基と63基。緑色の鉄製の火床の上にアカマツの割木を高さ約1メートル積み上げて点火します。
点火時刻は8時5分。薪数332束、松葉166束。

法の火床。
同時に点火するために京都地方簡易保険局屋上から合図をするそうです。
法の斜面はとても急で、夜にここを登り降りする関係者の苦労はたいへんなものだと思えます。

東山の法からの眺望。
妙の斜面は比較的なだらかで広々としています。

西山の妙からの眺望。
15日16日の夜には「題目踊」と「さし踊」が行われます。南無妙法蓮華経を唱えながら踊る題目踊は、日本最古の盆踊りだそうです。
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https://bigkarasu.com/post-35.html松ヶ崎妙法送り火の基本情報
左大文字は京都市西部、金閣寺の近くの大文字山(大北山)にあります。
この山は岩石が多くて火床が掘れないそうで、斜面に栗石をコンクリートで固めて積み上げ、火床としています。
左大文字送り火を守るのは大北山在住の農家のみなさんによる左大文字保存会。会員は70名ほど。
中学生になると保存会に入り、自分の親ではなく他の大人とペアを組んで作業を学ぶのだそう。
昔はかがり火を燃やしていたそうです。
麓の法音寺の本堂から、大松明と手松明に火を移して、松明行列となって山を登ります。
点火は筆順に。
途中で「ナ文字」になるのも見所?
わたしが見た年はナではなく人になりました。
東山の大文字とはやり方がずいぶんと違います。
明治時代には大の字に一画加えて「天」の字だったこともあるそうです。
見てみたい気がします。
【左大文字の護摩木の受付】
場所:金閣寺の参道
時間:8月15日 9:00〜15:00頃、16日 7:00〜14:00頃
左大文字の護摩木の受付の様子。金閣寺の参道です。こちらもたくさんのひと。
(ついでに金閣寺を拝観していくのもいいですが、普段と同じで拝観料はかかります)
左大文字の送り火がよく見えるスポットは西大路通り・船岡山公園・北大路通りなど。
● 西大路通り
● 船岡山公園
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https://bigkarasu.com/post-34.html左大文字送り火の基本情報
京都五山送り火の大文字で、東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の松をいっしょに燃やそうという計画が進んでいるとニュースで知り、わたしも「ああ、それは良いことだなあ」と思っていましたが、7日になって急遽中止との報道がありました。
どうやら放射性物質の汚染を懸念する意見が数十件寄せられ、
大文字保存会がやむなく中止を決めたとのこと。
そのため、京都市には
「被災地を差別する行為だ」
「中止を撤回すべき」
「
五山の送り火なんて見たくない」
「被災地の思いが無駄になる」
「京都に裏切られた」
「風評被害に加担するのは日本人として恥ずかしい」
「京都市民として恥ずかしい」
「
送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげんさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」
「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯な取り組みをなぜ中止するのか」
など、抗議の電話やメールが殺到しているそうです。
(8月9日の時点で京都府と京都市に1000件以上)
京都市民としてたいへん情けなく思います。
いろいろと思うことを書いてみましたが、うまく表現できていない気がしますので、後半は削除します。
ただ、誤解があると思えるのは、この計画は京都市や送り火保存会が発案したわけではなく、陸前高田市や被災地のひとびとが提案したわけでもないということです。
これは大分県の芸術家の人のプロジェクト。
進むにつれて、だんだんややこしいことに・・・。
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https://bigkarasu.com/rikuzen.html大文字送り火に陸前高田の松を
大文字焼きのなかでも有名な大文字焼きのひとつが箱根 強羅の大文字焼き。

京都を出れば気兼ねなく「大文字焼き」と呼べるのでちょっとリラックスできますね。

(こちらは彫刻の森美術館から見る箱根の大文字)
もちろんお盆の行事としても送り火ですので、有縁無縁の霊を慰め送る宗教行事の意味を持ちます。
ただ、「箱根強羅夏祭り」のイベントのひとつであり、花火も盛大に打ち上げられるので、ホントにお祭りという雰囲気です。
箱根 強羅の大文字焼きは大正10年(1921年)に始まった送り火で、明星ヶ岳に大の字の火が点されます。
大の字の第一画は108m、第二画が162m、第三画が81m。京都の大文字とは違い、大は輪郭になっています。そして京都の大文字よりひとまわり大きいです。


大文字焼きがよく見えるスポットは強羅駅から早雲山駅までの沿線。箱根強羅公園や
餃子センターの脇の階段を登って行くと素敵な景色に出会えます。
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https://bigkarasu.com/hakone-daimonjiyaki.html箱根 強羅の大文字焼き